もはや歯だけの問題ではない~歯周病と体の病気との関係
最新の研究により歯周病が全身の病気に害を及ぼしたり、全身の病気が歯周病に悪影響を与えたりする事がわかってきました。
中でも、歯周病と糖尿病には密接な関係があると言われています。
糖尿病は予備軍も含めて、もやは成人の5、6人に1人がかかっているという国民病ですが、その合併症のひとつが歯周病です。
歯周病で歯ぐきに慢性的な炎症があると、サイトカインという物質が、持続的に血液中に放出され、これによって血糖値を下げるホルモン「インスリン」に体が反応しにくくなり糖尿病が悪化します。
一方、糖尿病が進行すると歯ぐきの血流が悪くなったり、歯周病菌に対する抵抗力が下がり、さらに歯周病が進行します。
このように歯周病と糖尿病は相互に悪い作用を及ぼします。ただ、裏を返せば、歯周病を改善する事ができれば糖尿病を改善する事も可能だと言う事です。
実際に、糖尿病の患者さんで歯周病治療をしたら、血糖値が下がり担当医の先生が驚かれていたという方がいらっしゃいました。
糖尿病以外にも歯周病が悪影響を与えている事例として、肺炎、動脈硬化、心筋梗塞、早産、低体重児出産などがあります。
いずれも歯周病菌や感染によって作られた物質が全身に回って引き起こすと考えられています。
歯や歯ぐきは、口の入り口にあって、すぐそばには血管が通っていることを忘れてはいけません。ひとたび血液にのれば、全身のあらゆる所を巡る事になります。
今日からでも遅くありません。歯周病克服のための一歩を踏み出しませんか。
どのように踏み出すかは、かかりつけの歯科医院に相談してみて下さい。