小児歯科
小児歯科とは
乳歯の発育を定期的にチェックしていくことにより、永久歯への健全な生えかわりを見守っていく診療です。
並行して歯磨きの方法、習慣づけについてのアドバイスをしてまいります。
歯みがきは、毎日の積み重ねが大変重要です。
正しい歯みがきの知識や技術を身につけることはムシ歯の予防や大人になってからの歯周病を防ぐためにも大事なことですし、全身の健康を保つためにも必要です。
子供の歯を守るために
- 子供の歯を絶対にムシ歯から守るという気持ちを持って下さい。
(日頃の仕事、家事、育児でお忙しい事とは思いますが、頑張ってみがいてあげて下さい。) - 小学校2年生ぐらいまでは、大人の方が仕上げみがきをしてあげて下さい。
(子供に歯ブラシを持たせてやらせ、習慣づけることは重要です。しかし、みがいているのと、みがけているのとは違います。自分自身できちんとみがけるまでは、仕上げみがきは必ずしてあげて下さい。) - 子供に歯ブラシを習慣づけるために、大人の方が一生懸命歯ブラシをしているのを見せてあげて下さい。(子供は一番身近な親の姿を見て育ちます。親の意識が高ければ、子供もそれに習ってゆきます。)
仕上げみがき時の歯ブラシの上手な使い方
- 力を入れすぎないで下さい。
(ついつい汚れを取ることばかり考えて、知らず知らずのうちに力が入ってしまいます。これは、歯や歯肉を傷つけるばかりか、かえって細かい汚れが取れません。また、子供が歯ブラシをいやがる原因となります。) - みがく場所の目標をさだめて下さい。
(汚れがたまりやすいのは、歯の付け根と歯の間、奥歯の溝などですからまずそこを磨いてください。そのとき、歯ブラシを振動させるようにして1本ずつみがくように心がけて下さい。) - 口唇や頬を指でよけて歯がよく見えるようにしてみがいて下ださい。
(歯が一番見やすい位置に、みがく人が移動してみがいて下さい。) - 歯ブラシ以外の補助用具をもちいるとさらに効果的です。
(歯ブラシが届かない歯と歯の間にはデンタルフロス又は糸ようじを用います。歯みがきをしているのにムシ歯ができる人はぜひやってみて下さい。)
歯みがき剤について
ブクブクうがいが出来るようになったら、フッ素が配合された歯みがき剤を使ってみてください。
いろいろな歯みがき剤が市販されていますが、基本的には歯の汚れは泡で落とすのではなく、歯ブラシでこすることによって取れます。かえって泡がじゃまになりみがきにくくなります。歯みがき剤はほんの少しにしてあげて下さい。
学校検診の項目
学校検診の所見欄に記入があった方は下記の説明を参考のうえ、かかりつけの歯科医と相談されることをお勧めします。
口の中の状態 | このままにしておくと… | |
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反対咬合 (はんたいこうごう) |
かみ合わせたとき前歯において下の歯が上の歯より前面に出ています。 | 顔貌に影響がでることがあります。 かみ合わせの異常を起こすことがあります。 |
交叉咬合 (こうさこうごう) |
かみ合わせたとき左右のどちらかが反対咬合になっています。 | |
切端咬合 (せったんこうごう) |
かみ合わせたとき上下前歯が尖端どうしであたっています。 | かみ合わせの異常を起こすことがあります。 歯が欠けることがあります。 |
過蓋咬合 (かがいこうごう) |
かみ合わせたとき下の前歯がほとんど見えなくなるぐらい深いかみ合わせになっています。 | かみ合わせの異常を起こすことがあります。 下の前歯の先端が上顎の歯肉に噛み込んでしまうことがあります。 |
下顎前突 (かがくぜんとつ) |
かみ合わせたときの下の顎が前方へ突き出しています。 | 顔貌に影響がでることがあります。(いわゆる受け口) 発育期の時期に矯正した方が治りやすいです。 |
上顎前突 (じょうがくぜんとつ) |
かみ合わせたとき上の顎が前方へ突き出しています。 | 顔貌に影響が出ることがあります。 かみ合わせの異常を起こすことがあります。 前歯をぶつけたり、折ったりするけがを起こしやすいです。 唇が閉じにくいのでドライマウスになりやすいため歯肉が剥がれたり、虫歯になりやすくなります。 |
開咬 (かいこう) |
口を閉じたままの状態で、前歯の上下が開いたままの状態になっています。 | |
叢生 (そうせい) |
前歯が出たり引っ込んだり、ねじれて生えている、いわゆる乱ぐい歯のことを言います。 | ブラッシングがやりにくいです。 かみ合わせの異常を起こすことがあります。 |
癒合歯 (ゆごうし) |
先天的にとなり同士の歯がくっついていて一つの歯になっています。 | 乳歯の癒合歯は、生え変わりのときに歯科医と相談してください。 |
中心結節 (ちゅうしんけっせつ) |
下の小臼歯(永久歯)のかみ合わせの面に先天的にできた小さな突起があります。 | 突起が折れるとそこからバイ菌が入り、神経が死んでしまうことがあります。 |
要注意 乳歯 (ようちゅうい にゅうし) |
永久歯に影響を及ぼすような乳歯があります。また、生え変わりでグラグラになっている歯があります。 | 永久歯が綺麗に生えてこなくなることがあります。 |
歯石 (しせき) |
歯垢が固まって石のように固くなっています。ブラッシングだけでは取れませんので、歯科医師さんにとってもらいましょう。 | 歯肉炎の原因となります。 |